目 次
- 「空間に生きる―日本のパブリックアート」展特集 太陽の下で、アートと遊ぶ。
- 「GUNDAM 来るべき未来のために」展 特集
- 日本クラフト紀行III 石川のクラフト展「伝統からの新しい発信」
- 芸術の森工芸館収蔵品展 木のおもちゃワールド
- ART BOX 2006 野外ステージに開くアートの玉手箱。
- ART BOX 2006 イベントスケジュール
- ART BOX 2006 インプログラム コンドルズ日本縦断黄金郷ツアー2006
- ART BOX 2006 インプログラム SAPPORO MUSIC SESSION 2006
- 金子竜太郎インタビュー
- サッポロ・シティ・ジャズプレライブ サッポロ・ジャズ・フォレスト2006
- 芸森アートマーケット2006
金子竜太郎インタビュー
誰も聴いたことのない音楽。この秋、森から生まれます

野外ステージに階段状のスタンドや美術壁を設置して、新たな可能性を持った舞台空間をつくる「ARTBOX2006」。
およそ1ヵ月にわたり、インプログラムとオープンプログラムから構成されるさまざまなパフォーマンスが繰り広げら
れます。
全プログラムのフィナーレを飾るのが、多彩なミュージシャンのコラボレーションによる「Sapporo Music Session2006」。音楽監督を務める和太鼓奏者の金子竜太郎さんに話を聞きました。
――多彩なアーティストが出演する「Sapporo Music Session2006」。どんな内容になりますか?
かなり個性的なイベントになりそうですよ。出演は海外からアイルランドのバンド〝KiLA(キーラ)?、国内から僕が束ねる〝Ryu's beat(リュウズビート)?。9月30日は、第一部がキーラで、フィドル(ヴァイオリン)や打楽器のボーランなどアイルランドの伝統楽器を使いながら、 ケルト音楽をベースにアフロやカリブ、ジプシーなどの要素をミックスし独特にうねる素晴らしいノリとサウンドを聞かせてくれます。共演にはアイリッシュダ ンスのジーン・バトラーと、アイヌ民族の弦楽器トンコリを演奏するOKI。どんなコラボレーションになるのか、僕も楽しみです。第二部のRyu's beatはギターの押尾コータローをフィーチャーし、馬頭琴の嵯峨治彦、パーカッションの渡辺亮、そして僕の和太鼓の4人。高い声と低い声を一度に出すモ ンゴルの喉歌「ホーミー」は加わりますが、弦楽器と打楽器だけのユニークで心地よく楽しいアンサンブルになりそうです。翌10月1日はKiLAと Ryu's beatのセッション。初顔合わせですからね、どんなコラボレーションになるのか…。とにかく、普通のコンサート会場とは違うこの森に、無国籍で自然に心 に響く、この日限りの音楽空間が生まれるでしょう。
――多彩なアーティストが出演する「Sapporo Music Session2006」。どんな内容になりますか?
「打てば響く」という単純さです。叩けば誰でも音が出る。だけど、どんな音を出すかは叩く人間によってまったく違う。そんな奥の深いところが魅力です。太 鼓打ちは単音でいろんな音を出せなければなりませんが、例えていうなら墨絵のよう。濃淡だけでどれだけ表現できるかを常に考えています。もうひとつ、音が 体に直接響いてくるのも和太鼓ならではの良さ。世界のほかの打楽器よりも胴や皮が厚いため、太くてふくらみがある音が出るのです。
――海外公演を多く経験されていますが、自分の音楽のルーツについて、改めて考えたことはありますか?
海外ではやはり「〝和?って何だろう」と考えさせられます。でも、よく考えてみると、多くの外国人の持つ伝統的な「JAPAN」のイメージは、歌舞伎にし ても浮世絵にしてもだいたい江戸時代に構築されたものが多いんですよね。
まぁ日本人でもそれが一般的ですけれど。もちろんそれはよくわかるし僕も好きなのですが、自分の血の中にはそれ以前のものも確実に流れていると感じるんで す。多分まだ日本という概念ができる前に入って、いつの間にか淘汰されてし
まったリズム音色、メロディー。僕はそういう部分にすごく感じるものがあるので、「和太鼓だから」と封印してしまうことなく、素直に自分の表現として追い かけてみたいと思っています。
――「和太鼓ワークショップ」はどんなレッスンですか?
今回のものは技術を学んだり、曲やリズムを覚えてもらう場ではありません。ねらいは、和太鼓を叩くことを通して自分の体と向き合うこと。「力を抜く=リ ラックス」がキーワードで、タイトルは「ゆるんでたたいて」です(笑)。和太鼓というと、ふんばるとか、筋力とか、力強さを連想する人が多いと思うのです が、そういう叩き方では肉体的にも限界がくるし、太鼓が持っている本来の響きを引き出しきれないと考えています。ですから僕は〝力を抜いて力一杯叩く?方 法を研究していて、それをわかりやすく体験していただこうと思っています。力まかせで大きな音を出した場合と、ゆるんで叩いた場合、音量はそんなに変わら なくても、質はまったく違うんです。ゆるんでいると、大きな音でも心地よい響きがでる。参加者同士の呼吸も自然にあってくる。ほとんどが初めて会う人の ワークショップで、リズムをあわせる練習をまったくしなくても、ごく自然に揃ってくるから不思議です。参加者の方からは「なんだかわからないけど身体の芯 から楽しさがこみ上げてきて、いつまでも叩けそうだし、叩いていたいという気持ちになった」という声をよく聞きます。体をゆるめるとは、何かを勉強して身につけようとするよりも、いらないものを手放して、もともと自分に備わっているものを見つけようという姿勢です。体をゆるめると気持ちもオープンになる し、まるごと自分に安心できるようになる。太鼓を通して、暮らし方や生き方にもつながっていくようなワークショップにしたいと思います。







